自歓喜経』(じかんぎきょう、巴: Sampasādanīya-sutta, サンパサーダニーヤ・スッタ)とは、パーリ仏典経蔵長部の第28経。『歓喜経』(かんぎきょう)とも。

類似内容の伝統漢訳経典としては、『長阿含経』(大正蔵1)の第18経「自歓喜経」や、『信仏功徳経』(大正蔵18)等がある。

経名は、経の末尾で、釈迦とサーリプッタのやり取りを聞いていたウダーイが、歓喜することに因む。

構成

登場人物

  • 釈迦
  • サーリプッタ(舎利佛・舎利子) --- 仏弟子の一人。十大弟子の一人。
  • ウダーイ(優陀夷) --- 仏弟子の一人。

場面設定

ある時釈迦はナーランダにある豪商パーヴァーリカのマンゴー園に滞在していた。

サーリプッタがそこに合流し、過去・現在・未来において釈迦に勝る者無しと、釈迦を賞賛する。釈迦は過去・現在・未来の覚者を知らないのに、なぜそのような尊大な言葉遣いができるのか問う。

サーリプッタはそれに応え、過去・現在・未来のいつであろうと、煩悩を滅尽して覚者となるためには、七科三十七道品を修める以外に道は無く、その仏法に通じ、説いた釈迦こそが最も優れた者であること、そして、七科三十七道品の内容である四念処、四正断、五根、五力、七覚支、八正道、四如意足、続いて五蓋、六根・六境、四出生、四読心、四観察、七聖者、四進展、四正語、三正命、四向四果、三根拠、二神通などを説いた。

それを聞いて釈迦は、サーリプッタが尊大な言葉遣いをしたのは、慢心によるものではなく、法に拠るものだったことを認める。2人のやり取りを傍らで聞いていたウダーイは歓喜する。

内容

日本語訳

  • 『南伝大蔵経・経蔵・長部経典3』(第8巻) 大蔵出版
  • 『パーリ仏典 長部(ディーガニカーヤ) パーティカ篇I』 片山一良訳 大蔵出版
  • 『原始仏典 長部経典3』 中村元監修 春秋社

脚注・出典

関連項目

  • 煩悩
  • 七科三十七道品
    • 四念処
    • 四正断
    • 五根
    • 五力
    • 七覚支
    • 八正道
    • 四如意足
  • 五蓋
  • 六根・六境
  • 四向四果

外部リンク

  • Sampasādanīyasuttaṃ - Tipitaka.org

歓喜仏

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