『ハヴ・ギター・ウィル・トラヴェル』(Have Guitar Will Travel) は、ロックンロールの先駆者でブルースを象徴する人物のひとりであるボ・ディドリーの3枚目のスタジオ・アルバム。1960年にチェッカー・レコードからリリースされた。
このアルバムのジャケット表面には、リチャード・ブーン主演のテレビ・シリーズ『西部の男パラディン (Have Gun – Will Travel)』の主人公パラディンが、毎回エピソードの中で差し出す白地の名刺 (calling card) を模したものが配置されている。写真の撮影場所は、ニューヨーク市ブルックリン区のリヴィングストン・ストリート (Livingston Street) である。
前史
収録曲のうち、「Cops and Robbers」は、1956年11月にチェッカー・レコードから、シングル#850 としてリリースされたものであるが、そのシングルのB面曲「Down Home Special」は、このアルバムに収録されなかった。「Mona (I Need You Baby)」は、 1957年10月に「Hey! Bo Diddley」のB面曲としてリリースされていた。また、「Say Man, Back Again」は、1959年11月にシングルとしてリリースされていた。さらに、「She's Alright」は、ボーカルのオーバーダブがないバージョンが「Say Man, Back Again」のB面曲となっていたが、それ以外の曲はいずれもアルバムのみのリリースであった。
収録曲のカバー
このアルバムの収録曲のいくつかは、ブリティッシュ・インベイジョン期に数多くのバンドによってカバーされた。「Cops and Robbers」は、1956年に歌手ケント・ハリスが率いた Boogaloo and his Gallant Crew のバージョンがオリジナルであるが(このバージョンは、Frémeaux et Associés による『Road Songs』コレクションに収録されている)、この曲はローリング・ストーンズ、ザ・マスターズ・アプレンティス、ウェイン・フォンタナ&ザ・マインドブレーカーズ、ダウンライナー・セクト、ジョージ・ソログッドによってもカバーされている。
トラックリスト
パーソネル
ライナーノーツによる。
- ボ・ディドリー – ボーカル、ギター
- ジェローム・グリーン (Jerome Green) – 「Say Man, Back Again」の共同リードボーカル、マラカス、バッキング・ボーカル
- ペギー・ジョーンズ – ギター、バッキング・ボーカル
- ウィリー・ディクスン – ベース
- クリフトン・ジェームズ (Clifton James) – ドラムス
- フランク・カークランド (Frank Kirkland) – ドラムス
- ジョディ・ウィリアムス – ギター
- ラファイエット・リーク – ピアノ
- レスター・ダヴェンポート – 「Spanish Guitar」のハーモニカ
チャート
「Say Man, Back Again」は、R&B Singles chart で23位まで上昇した。
リリース
脚注




